DVD Studio Pro - プロジェクトに必要なディスク容量を計算する

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プロジェクトに必要なディスク容量を計算する

ビデ オのビッ トレー トはプ ロジェク トのサ イズを 左右する 大きな 要素で すが、そのほ かにも プロ

ジェクトに必要なディスク容量を決める要素がいろいろあります。

Â

オーディオ素材の数と種類

Â

スライドショーと使用するオーディオの数

Â

字幕の数

Â

挿入されるすべての

DVD-ROM

のコンテンツ

以下に示すス テップはプロジェクト が必要とするディスク 容量を予測する際の目安 となります。こ

の例では以下の条件を持つプロジェクトを想定しています。

Â

長さ

01:26:13:12

のビデオ素材

1

2

つのオーディオストリーム:

AC-3 5.1

サラウンドと

AC-3

ステレオ

Â

長さ

00:45:34:07

のビデオ素材

2

PCM16

ビット

48 kHz

オーディオストリーム

Â

長さ

00:00:16:20

のモーションメニュービデオと

AC-3

ステレオオーディオストリーム

1

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634

付録

C

必要なディスク容量を計算する

手順

1

ビデオ再生の合計時間の計算

最初にプロジ ェクトのすべてのビデオ 素材とモーションメニ ューの再生時間の合計を 決定する必要

があります。計算を簡単にするため、時間を時分秒から秒に変換します。フレームについては、

1

未満の残りフレームがあれば切り上げます。

上の例ではビデオ素材

1

5174

秒、ビデオ素材

2

2735

秒、モーションメニューは

17

秒で合計

7926

秒です。

参考:スライド ショーはビデオ再生時 間としてはカウントさ れません。これについては 後で説明し

ます。

手順

2

ディスク容量の計算

コンテンツに 合ったビットレートを 計算するには、ディスクの 種類ごとの容量をビッ ト単位で知る

必要があります。

DVD-5

ディスクの容量は

4.7GB

2

進数ベースで

4.37

ギガバイト)です。この計

算を行うためには、

2

進数の足し算で計算した時の違いを考慮するほど厳密でなくてもかまわないの

で、

4.7 GB

の数値を使用します。計算を行うには、バイト単位の容量に

8

1

バイトあたりのビット

数)をかけます。

DVD

の名前

バイト単位の容量

ビット容量

DVD-1

1.46 GB

11.68

ギガビット(

Gbit

DVD-2

2.66 GB

21.28 Gbit

DVD-3

2.92 GB

23.36 Gbit

DVD-4

5.32 GB

42.56 Gbit

DVD-5

4.7 GB

37.6 Gbit

DVD-9

8.54 GB

68.32 Gbit

DVD-10

9.4 GB

75.2 Gbit

DVD-14

13.24 GB

105.92 Gbit

DVD-18

17.08 GB

136.64 Gbit

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付録

C

必要なディスク容量を計算する

635

手順

3

ディスクサイズごとのビットレートの計算

秒単位の再生 時間とディスクサイズ ごとのビット容量が分 かれば、それぞれのディス クサイズごと

の基本ビットレートが計算できます。計算を行うには、ディスクサイズを再生時間(この例では

7926

秒)で割ります。

現時点では これらのビットレ ート値を最終のも のと考えないでく ださい。まだオーディオと

DVD-

ROM

のコンテンツを考慮する必要があるからです。しかし、これらの値はどのサイズの

DVD

ディス

クを使えばよいかを決める目安になります。プロジェクトが

Dolby Digital AC-3

フォーマットなどの

圧縮オーディオを使い、

DVD-ROM

のコンテンツがほとんどまたはまったくない場合は、

4.74 Mbps

(またはビデオとオーディオをすべてディスクに収めるために若干小さめ)でエンコードして満足す

る結果を得られるかどうかを判定する必要があります。満足のいく結果が得られれば、

DVD-5

ディス

クはこのプロジェクトで使えます。プロジェクトが複数のサウンドトラック、たくさんのスライドや

字幕、いくつかの

DVD-ROM

コンテンツを含んでいる場合は、入れたいものすべてを収めることので

きる

DVD-9

ディスクサイズを使った方が良いと判断してもかまいません。

もう

1

つ考慮するべき点は、ビデオ素材が同じビットレートでなくてもかまわないということです。

素材によっ ては、品質がほかのものに 比べて重要ではないた め、もっと低いビットレー トを使おう

と判断する場合があります。このときはほかのビデオ素材用のディスク容量が大きくなります。

満足できる結 果を得るビットレート の選択は、ビデオのコンテ ンツと使用するエンコ ーダに依存し

ます。一般に、

4.0 Mbps

未満のビットレートが受け入れられる可能性はあまりありません。

4 Mbps

から

6 Mbps

のビットレートでは、組み込みの

MPEG

エンコーダや「

Compressor

」などの良質な

可変ビットレート(

VBR

)エンコーダを使用すれば、良好な結果が得られるはずです。

6 Mbps

から

8 Mbps

のビットレートでは、固定ビットレート(

CBR

)エンコーダを使用しても、何の問題もなく

良好な結果が得られるはずです。通常、使用できる最高のビットレートは

8 Mbps

と考えられてい

ます。

DVD

の仕様では

9.8Mbps

まで使用できることになっていますが、一部の

DVD

プレーヤーで

の再生に問題が発生したり、オーディオのオプションが限られたりします。

エンコードの詳細については

54

ページの「

ビデオ素材を

DVD

用にエンコードする

」を参照してく

ださい。

DVD

の名前

ビット容量

ビットレート

DVD-1

11.68

ギガビット(

Gbit

1.47

メガビット/秒(

Mbps

DVD-2

21.28 Gbit

2.68 Mbps

DVD-3

23.36 Gbit

2.95 Mbps

DVD-4

42.56 Gbit

5.37 Mbps

DVD-5

37.6 Gbit

4.74 Mbps

DVD-9

68.32 Gbit

8.62 Mbps

DVD-10

75.2 Gbit

9.49 Mbps

DVD-14

105.92 Gbit

13.36 Mbps

DVD-18

136.64 Gbit

17.24 Mbps

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636

付録

C

必要なディスク容量を計算する

手順

4

オーディオ分の割り当ての計算

プロジ ェクトによ ってはオーデ ィオがディ スク容量に それほどの 影響を与えな い場合もあ ります。

各ビデオ素材には最大

8

つのオーディオストリームを作ることができ、またそれぞれのストリーム

は種類も長さ もさまざまに異なるた め、オーディオ分の割り当 てを決定するのは大変 な作業でもあ

ります。以下の表に、よく使われるオーディオフォーマットのビットレートを示します。

先の例では、ビデオ素材

1

にはそれぞれ

5174

秒のオーディオストリームが

2

つありました。最初の

ストリームは

AC-3 5.1

サラウンドで

2

つめは

AC-3

ステレオでした。 ビデオ素材

2

には

16

ビット

48 kHz PCM

オーディオを使用した

2735

秒のオーディオストリームが

1

つありました。モーション

メニューは

17

秒の

AC-3

ステレオオーディオストリームでした。スライドショーにオーディオが含

まれる場合は、その数値も公式に入れる必要があります。

必要な記憶 容量を計算するには、それ ぞれのビデオ素材の合 計ビットレートを決定 し、それに時間

を乗じます。

このように、

PCM

オーディオを使用したときは、

AC-3

のような圧縮フォーマットを使用した場合

に比べかなり 大きなディスク容量が 必要となります。さまざま なオーディオフォーマ ットについて

77

ページの「

オーディオソースを準備する

」を参照してください。

オーディオフォーマット

ビットレート

AC-3

ステレオ

192

キロビット/秒(

Kbps

)から

224 Kbps

AC-3 5.1

サラウンド

384 Kbps

から

448 Kbps

DTS 5.1

サラウンド

754.5 Kbps

または

1509.75 Kbps

PCM

ステレオ

16

ビット(

48kHz

1536 Kbps

PCM

ステレオ

24

ビット(

96 kHz

4608 Kbps

セクション

継続時間

ビットレート

ディスク容量

ビデオ

1

AC-3 5.1

5174

448 Kbps

2.32

ギガビット(

Gbit

ビデオ

1

AC-3

ステレオ

5174

224 Kbps

1.16 Gbit

ビデオ

2

16

ビット

48 kHz PCM

2735

1536 Kbps

4.20 Gbit

メニュー、

AC-3

ステレオ

17

224 Kbps

0.004 Gbit

合計:

7.684 Gbit

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付録

C

必要なディスク容量を計算する

637

手順

5

ビデオのビットレートに与えるオーディオの影響を計算する

オーディオが 必要とするディスク容 量が分かったところで、使 用可能なビデオのビッ トレートをよ

り正確に計算 する方法があります。先の 計算に基づいて考えると、実 用的なディスクは

DVD-5

DVD-9

のみでしたので、この例ではその

2

つについて検証を続けましょう。

DVD-5

ディスクについては、合計のディスクサイズから全オーディオ分の容量を差し引く必要があ

ります。

37.6

ギガビット

– 7.684

ギガビット

= 29.916

ギガビットがビデオ分となります。使用可能

なデ ィス ク容 量を ビデオ の長 さで 割れば 新し いビ ット レート が算 出さ れ、

29.916

ギガビ ット

÷

7926 = 3.77 Mbps

となります。オーディオは

DVD-5

ディスク(

4.74 Mbps

)のもともとのビット

レートにかなり影響を与えていることがわかります。この例のビデオ素材

2

では

PCM

オーディオを

使用しているので、ビデオのビットレートが

4 Mbps

未満に落ちています。このような低いビット

レートでは適性な品質が得られない可能性があるため、

DVD-5

ディスクは使用しないほうがよいと

思われます。

DVD-9

ディスクでは、最終的に

60.636

ギガビット(

68.32

ギガビット

– 7.684

ギガビット)がビデ

オ用に利用できます。調整後のビットレートは

7.65 Mbps

60.636

ギガビット

÷

7926

秒)になり

ます。これは良好な品質を得るのに十分高い値です。

手順

6

DVD-ROM

分の割り当ての計算

ディスクに

DVD-ROM

のコンテンツを入れたい場合は、ビデオのビットレートを計算する前にディ

スク容量からその分を差し引いておく必要があります。

DVD-ROM

のコンテンツのサイズは

2

進数ベースのメガバイト単位で表現されるため、

DVD

のディ

スクサイズを扱うときは同じ基準に変換する必要があります。この例では、データは合計

36 MB

ります。コンピュータの

1 MB

は、実際には

1,048,576

バイトです。

DVD-ROM

のコンテンツを変換

するには、そのサイズ(

36 MB

)に

1,048,576

を乗じて、実際のサイズを

37,748,736

とする必要が

あります。

次のステップでは、この数値に

8

を乗じてビットに変換します。最終的にサイズは約

0.3

ギガビッ

トになりま す。これは大容量ではない のですが、ディスクの利用 可能な容量を最大限に 利用しよう

とする場合は、この容量を考慮しなければなりません。

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638

付録

C

必要なディスク容量を計算する

手順

7

そのほかの割り当てを計算する

利用可能なディスク容量を決定するときに考慮に入れるべき要素はほかにもいくつかあります。

Â

スライドショー:スライドショーの静止画は

1

枚あたり約

200

キロバイト(

KB

)を必要とします。

99

枚の静止画を持つフルのスライドショーではおおよそ

20 MB

のディスク容量が必要となりま

す。スライドショーにオーディオを入れると、オーディオが静止画と同じかそれよりも大きいディ

スク容量を必要 とすることに気づくはずです。デ ィスクに静止画をたくさん 入れる場合は、これ

らのことを十分に考慮する必要があります。

Â

静止画のメニュー:標準的な静止画のメニューは、

1

枚あたり約

300 KB

のディスク容量を必要とし

ます。これはボタンの数によって異なります。

レイヤメニュー は標準メニューに比べて大き な容量を必要とします。これは、ボ タンひとつひと

つに対して、そのボタンの別々に指定した状態(通常、選択、アクティブ)ごとに新しいメニュー

が作成されるからです。つまり

4

つのボタンをサポートするには

12

ものメニューが作成されるこ

とになります。レイヤメニューについての詳細は

323

ページの「

レイヤ方式でメニューを作成す

」を参照してください。

参考:動画素材が割 り当てられているボタン形状 を使用しているメニューはモー ションメニュー

であると考えられるため、ビデオ素材としてカウントする必要があります。

Â

字幕:字幕が必要とする容量は、

32

ストリームのうちの使用するストリーム数、使用するコンテ

ンツの種類(単純なテキストかフルスクリーングラフィックか)、それらを変更する回数(毎秒数

回、またはより一般的には

4

5

秒ごとに

1

回)によって、大きく異なります。

単純な字幕は平均して約

10 Kbps

です。おおよそ

2

メガビット/時で、ほとんどの作品ではごく

わずかな量です。フ ルスクリーングラフィックス が頻繁に変更されるアニメーシ ョンツールとし

て字幕を使用する場合は、字幕にかなり大きな容量を割り当てる必要があります。(字幕ストリー

ムに使用できるビットレートは最大

3.36 Mbps

で、ビデオストリームとほぼ同じです。)

特にたくさんの静止画やメニュー、字幕を使っているのでなければ、通常は

5

パーセントのオーバー

ヘッドを空け ることによってこれら の項目に必要な容量が 算出できます。このオーバ ーヘッドの量

は、すでに計算したビットレートに

0.95

をかけるだけで簡単に適用できます。先にあげた例では、

DVD-5

ディスクのビットレートは

3.77 Mbps

から

3.58 Mbps

に下がり、

DVD-9

ディスクのビット

レートは

7.65 Mbps

から

7.27 Mbps

に下がります。

重要:

プロジェ クトが終了したときに なってディスクに収ま らないことがわかるよ り、控えめにし

ておいて、いくらかのディスク容量が残っていることの方がよほど良いでしょう。